ポケモンの世界が舞台の
小説を作りましょう!
舞台がポケモンの世界なら
どんな物語でもOKです
ただし、ポケモンからの世界から
話が離れてはいけません
ポケモン世界の小説を作ろう
LINK 403話
「クイタラン、れんごくっ!!」
クイタランは大きく仰け反ると、周囲の炎を尻尾から吸い込み始めた。
そして跳ね起きのように頭を戻すと、口から業火を吐いた。
ものすごいスピードで、業火は一直線にすなあらしに突き刺さった。
「…………」
あまりの威力にすなあらしが掻き消されていった。
そしてすなあらしが完全に晴れると、そこには目を回したサンドパンが仰向けに倒れていた。
剥き出しになったお腹には、やけどのような痕が残っていた。
「そんな……」
信じられないといったクロウズの声よりワンテンポ遅れて、モニターに文字が表示された。
「……サンドパン、戦闘不能」
まるで予想でもしていたかのように、バハムルはモニターを見ずにモニターの文字を読み上げた。
そして「皆、お疲れ」と呟き、ブーバーンとキュウコン、それにクイタランをモンスターボールへと戻した。
クロウズもまた、渋々ながらサンドパンをモンスターボールへ戻した。
ジムの中にはひでりにより太陽はおろか、すなあらしの砂塵など微塵も感じられなかった。
「……君の勝利だ、バハムル君」
クロウズはバハムルへと手を差し出した。
バハムルは少し躊躇ったが、クロウズの手を握った。
二つの手は強く握り合った後、離れて元の位置へと戻った。
「クイタランの特性は、ほのおタイプの技を受けるとほのおタイプの技の威力上がる、もらいびだね?」
「その通りです」
「自分が勝利を確信したっていうのも大きいけど、てっきり自暴自棄になったのかと思ったよ」
編集:2013/07/18 15:19:28
LINK 404話
「……そんな訳無いじゃないですか」
バハムルの困った顔を見て、クロウズはニヤリと笑みを浮かべた。
しかしすぐに元の表情に戻り、次の言葉を発した。
「キリキザンを倒したきあいだまといい、れんごくといい……君のポケモン達は命中精度が高いな」
「そうですか?」
バハムルはモンスターボールの中のポケモン達に視線を移した。
激戦を終えた三匹の顔には、達成感で満ち溢れていた。
「トレーナーの育て方のせいかもな」
そう言ってクロウズはバハムルの肩を叩いた。
「……こいつらが頑張ってくれたおかげですよ」
「謙遜するなって。……あ、忘れる所だった!」
クロウズはポケットに手を突っ込むと、ごそごそと何かを探し始めた。
忙しい人だなぁと、バハムルはそんなクロウズの様子を眺めていた。
「これが僕に勝利した証の、ゴンクロバッジだ! 受け取りたまえ!」
「…………」
手のひらを差し出したバハムルに、クロウズはゴンクロバッジを置いた。
竜の爪を模した形のそのバッジは、天井の照明を受けてキラリと輝いた。
「爪を司る我がブルフォタウンジム、これはそれを制した証だ。祖父から僕に当主が変わったという事もあり、以前のドラクロバッジからはリニューアルしてある」
「…………」
バハムルはゴンクロバッジを改めて眺めた後、バッグの中へとそれをしまった。
「さすがは四天王。瀕死寸前とはいえ、一匹にも倒れずに勝利するとはね。……じゃ傷ついたポケモンのために、ポケモンセンターに行こうか」
クロウズは壁へと向かい、スイッチを押した。
ガチャリとジムの入口である扉の鍵が開く音がして、重々しい鉄の扉がゆっくりと開き始めた。
ジムの中に外の光が入り込んでくるのと入れ替わりに、天井の照明が一つずつ消えていった。
LINK 405話
「回復が出来ない!?」
バハムルの耳に、先にポケモンセンターに入ったクロウズの声が聞こえた。
今は珍しい自動では無い扉を押して開けると、すぐにクロウズの背中が見えた。
「どうかしたんですか?」
「ポケモンの回復が出来ないんだと」
そこはもう聞こえていたんだけどなぁ、とバハムルはジョーイさんに視線を向けた。
ジョーイはその視線に気づいたようで、苦笑いを浮かべると口を開いた。
「電気が通ってないみたいなんですよね……。ジムリーダーさん、申し訳ありませんが、様子を見てきてもらえますか? 私はここを離れませんので」
ジョーイは困った顔で、クロウズにそう伝えた。
「これも我がブルフォタウンのため。喜んで行ってきますよ!」
そう言ってニヤリと笑うと、クロウズはポケモンセンターを後にした。
終始困り顔のジョーイに軽く頭を下げ、バハムルもクロウズに続いた。
「バハムル君も来てくれるかい?」
「まぁ、成り行きですが」
「何かあるといけないしね。四天王が来てくれるのなら心強い」
そう言ってクロウズはニヤリと笑った。
「で、どこに行くんですか?」
「町の外れにある、発電塔に繋がる電塔だよ」
古い文明が終わったからといって、他の地方に並ぶのはそう簡単じゃないからね、とさらに続けた。
エンシェ地方では他にも、電気を引っ張ってこないと生活できないような町がたくさんあるそうだ。
それからしばらく歩いた後、クロウズが声を上げた。
「見えてきたよ。あれがブルフォタウンの電塔だ」
その言葉に、バハムルは俯いていた顔を持ち上げた。
LINK 406話
「小さいけど、ブルフォタウン自体がまだまだ小さな町だし、このぐらいがちょうど良いんだよ」
クロウズの指差す先には、お世辞にも立派とは言えない電塔がポツリと一台だけ立っていた。
電塔の端や天辺から、色々な方向に黒い電線のようなものが生えている。
「アレはなんですか?」
バハムルは、電塔の真下付近でごそごそと動く見るからに不審そうな二つの影を指差した。
そんな声が聞こえたのか、二つの影は振り返ると、一目散に走り出した。
「アレが犯人だろうね…。追いかけるよ!」
いきなり走り出したクロウズに遅れを取らないよう、バハムルもそれに続いて走り出した。
「だいぶ暗くなってきましたね…。もしかしたら見失うかも」
バハムルの言う通り、空には紫が橙を覆い隠さんとばかりに広がっていた。
「そうだね…。ムクホークっ!」
走りながらクロウズが繰り出したモンスターボールから、ムクホークが飛び出した。
瞬間に状況を把握したムクホークは、二つの影へと猛スピードで飛んでいき、両の足が影達を掴んだ。
「追いつきましたね…」
「じゃあ、正体を見せてもらおうか」
クロウズは強引に二人のマントを剥いだ。
中からは、Nのマークが入った服を着た男女が現れた。
「マズイ、捕まった…」
「トロイさんに叱られる…」
ぶるぶると震えていた二人だったが、それぞれ腰からモンスターボールを取り出した。
「返り討ち、もしくは道連れに出来れば……」
怪しげな二人は、視点の定まってない眼でモンスターボールを構えた。
編集:2013/07/23 18:14:42
LINK 407話
「ゆけっ、プロトーガっ!」
「ゆけっ、タテトプスっ!」
怪しげな二人組がそれぞれポケモンを繰り出した。
バハムルとクロウズは顔を見合せ、困ったように笑った。
「俺、手伝った方が良いですか?」
「そっちの方が速く終わるからね。よろしく」
ため息を吐き、バハムルはバッグからモンスターボールを取り出した。
「いくぜ、ゴウカザルっ!」
放たれたモンスターボールから、節々に炎をゴウカザルが現れた。
久々の出番のようで、その表情はどこか嬉々としている。
「さっさと終わらせるよ。ムクホーク、プロトーガにブレイブバードっ!」
ムクホークはさらに高く飛び上がると、旋回をして青い炎のようなものをその身に纏った。
そしてそのまま、一直線にプロトーガへと急降下した。
「ゴウカザル、ほのおのパンチ!」
指示を受けて構えるゴウカザルのその拳に、ぼうっと炎が宿った。
自身の低い唸り声と共に大きくなる拳の炎を確認すると、ゴウカザルはタテトプスへと走り始めた。
「「!?」」
先に技を決めたムクホーク、そして遅れて技を使ったゴウカザルによって、プロトーガとタテトプスは大きなダメージを受け、大きく後方へと吹き飛んだ。
LINK 408話
「僕のムクホークのとくせいは、すてみ。反動でダメージを受ける技が、さらに強くなる」
プロトーガにブレイブバードを決めたムクホークを視界に捉えながら、クロウズはニヤリと笑った。
「俺のゴウカザルのとくせいは、てつのこぶし。こっちはパンチ系の技が強くなる」
見下したように、バハムルは二人組へと説明した。
「まぁ、まず戦闘不能だろうね」
クロウズがさらに付け加えた。
しかし、追い込まれているはずの二人組の顔に、焦りの色は全く無かった。
「私のプロトーガと彼のタテトプスのとくせいは、がんじょう。どんな技でも必ず一度は耐えきります」
二人組の片割れである女は、不敵に笑みを浮かべた。
吹っ飛ばされたプロトーガとタテトプスは体を起こし、ゆっくりと主人の元へと戻ってきた。
「今度はこっちの番だぜ! タテトプス!」
「プロトーガ!」
男と女は顔を合わせると何かを呟いた後、「「てっぺきっ!!」」と叫んだ。
「……今、せーのって言わなかったか?」
「…………」
クロウズがバハムルにそう尋ねるが、それはバハムルも分かりきっていた。
「ふっふっふ。硬さを増したこの二匹に、どう立ち向かうのかしら?」
勝利を確信したかのように、女と男は笑みを浮かべた。
バハムルとクロウズは笑いを堪えるように再び顔を見合せた後、口を開いた。
LINK 409話
「ムクホーク、でんこうせっか」
「ゴウカザル、マッハパンチ」
ひゅんと、不敵な笑みを浮かべる二人の前を何かが横切った。
プロトーガとタテトプスは、目を×のようにして倒れていた。
「そ、そんな……」
「ト、トロイ様に叱られ……」
渋々ながら、二人組はプロトーガとタテトプスをモンスターボールへと戻した。
「……誰に叱られるって?」
真っ暗な空の下、電塔の天辺から声が響いた。
視線を上げると、誰かが立っていたが、日は既に落ちてしまっているので、それが誰で男なのか女なのかの判別がつかなかった。
「そ、その声は」
「ト、トロイ様っ!?」
怪しげな二人組は、大名に仕える役人のように、「ははあー」と土下座のような姿勢を作った。
「トロイ……?」
その名前に、バハムルは僅かだが聞き覚えがあった。
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