題名の通り小説を見せ合うところです!感想も書いてください!ジャンルは特に決まってないです。
きてね!
融点上昇 #8
さらに一年。
三年四組。
このクラスには谷渕以外にも目立つ存在がいた。
和宮 太一(カズミヤ タイチ)
谷渕と同じく、一年ではクラスの人気者だった。
和宮は谷渕とも仲が良く、ツッコミ役として谷渕と接していた。
「じー君も大変だね。
こいつのお守り、疲れるでしょ?」
「…あぁ、大分慣れた」
和宮はこんな風に俺に話しかけてくる。
…じー君とは、俺の事だろうか?
「おいっ!俺を問題児みたいに言うんじゃねぇっ!」
「「違うの!?」」
「違ぇよっ!
何その扱いっ!しかもユニゾンして…」
がっくりと肩を落とす谷渕。
和宮がいつものメンバーに定着してからは谷渕はいじられキャラになってしまった。
…こんなのが俺の冷えきった心を溶かし始めてくれたとは…勘違いだったのかもしれない。
融点上昇 #10
転機は、突然 訪れた。
「え~、谷渕君がお父さんのお仕事の関係で転校してしまいます」
突然すぎて山口が何を言っているか、分からなかった。
「明日、谷渕君のお別れ会をします。
みなさん、笑顔で送ってあげましょう」
何故、谷渕は俺や和宮に何も言わなかったのだろう。
山口のイライラするこの喋り方も、今は全然耳に入ってこなかった。
たとえ入ってきたとしても、それは右から左へ、左から右へと貫通していって、俺には何も残らなかった。
和宮の方へ視線を向けると、平然とした顔でこちらを見返してきた。
谷渕は和宮だけに伝えて俺には伝えなかったのだろうか…?
考えれば考えるほど、どん底にはまっていく気がした。
フレイムモンスタ-#1
ある日カケルは朝早く目覚めた。
いつもはこんなに早くはないのだが今日はカケルがいま一番好きなカ-ドゲ-ムフレイムモンスタ-の新しいシリ-ズの発売日だからだ。
カケルは目覚めとともにだいどころへむかった。
「あら,今日は早起きね」母のひとみが言った。
カケルは朝ごはんのパンを牛乳でのどへ流し込みカケルが通っているカ-ドショップへ向かった。
そこには友達のヒロアキがいた。ヒロアキはカ-ドゲ-ムがとても得意でカケルはまだ1回も勝ったことがないのだ。
「遅いじゃないか」ヒロアキが言った。
カケルはかっときて「待ち合わせの時間より30分も早く来たんだぞ」と怒った。
「まあまあそう怒るなよオレジュ-ス買ってくるといって近くのコンビニに入っていった。
そのときどこからか女の声が聞こえてきた。
「カケルさんあなたの力をかしてください」
それはやさしくてきれいな声だった。
カケルが辺りをを見回したがカケルが見る限りそこにはだれもいない。
「だれ?」
カケルが聞くと目の前に小さな妖精があらわれた。
編集:2011/09/21 09:26:05
フレイムモンスタ-#2
「きみは?」
「わたしは妖精のニ-ナ」その妖精がこたえた。
「ニ-ナ?聞いたことあるぞ...」
「そうだヒロアキが使っていたカ-ドだ!」カケルは昨日ヒロアキが使っていたのを思い出した。
前回のバトルはこの妖精のせいでかけるは負けたのだ。
「でもなぜオレの力が必要なんだ?」カケルは不思議そうにきいた。
「今フレイムモンスタ-の世界で伝説のモンスタ-が復活しようとしていますそれをとめるにはあなたの力が必要なのです」
「それでどうしろっていうんだ?」
「あなたにカ-ドの世界に来てもらいます!」
そういうとともにニ-ナはもっていたステッキのようなものを天にかざし呪文のようなものを唱え始めた。
そのときカケルは意識がだんだん遠くなっているのにきずいた。
だがカケルはいつの間にか意識を取り戻していた。
カケルが辺りを見回すといつもとは違う景色が目にとびこんできた。
融点上昇 #11
結論から言うと、お別れ会には行けなかった。
俺は体だけは丈夫だった。
だが、その日に限って風邪をこじらせた。
「珍しいわね。あなたが風邪をひくなんて」
母もそう言っていた。
俺が病気等になったのは幼稚園以前の時期ぐらいだろう。
そのぐらい、俺は丈夫だった。
次の日
風邪なんて嘘のように治っていた。
学校へ行っても何一つ変わらない日常があった。
和宮が風邪を心配して、クラスの連中がサボりだなんだとほざくだけだ。
…ただ一人、このクラスにはいなかった。
「谷渕もじー君に会いたかったな~って言ってたよ」
昼放課、和宮に谷渕の事を聞いてもこんな感じの返答しか返ってこなかった。
融点上昇 #12
その一年間、俺は沈んでいた。
四年一組。
これが、新しいクラスだった。
この学校では四年から部活動をやるらしい。
「じー君、いっしょに新しい部を作らない?」
「…部を作る?」
「楽しい部活を作ろうよ。
最近、じー君もテンション低いし」
「…確か新しい部には部員が五人は必要なんだろ?」
「大丈夫。アテはあるから」
「…そうか」
学年が上がっても和宮とは同じクラスだった。
けっこうな偶然だと思う。
融点上昇 #13
「瑞浪 雄我(ミズナミユウガ)、よろしく!」
一人目、瑞浪は片手でポーズをつくりながらそう言った。
「夜須田 天(ヤスダソラ)です!
好きな人は立夏ちゃんです!」
「音崎 立夏(オトザキリッカ)です!
好きな人は天くんです!」
…手を繋ぎながら自己紹介してきたこのカップルで最後のようだ。
「以上が新しい部活のメンバーだよ、じー君」
和宮がそんな事を言ってる。
「じー君っつーのか。
改めてよろしくな!ジーク!」
…瑞浪は人の名前を覚えない、と。
俺の脳内インプットが完了した。
「雄我、何言ってんだよ」
お、夜須田がフォローにきた。
「この人は、じーくん君だろ?」
「そうだよミナミ~、じーくん君の事間違えて呼んじゃぁ」
「ミナミって呼ぶんじゃねぇ」
瑞浪だからミナミか。
「……ふふ」
「じー君、久しぶりに笑ったね」
目の前にはニヤニヤした顔の和宮が居た。
「……知るか」
俺は恥ずかしさのあまり、顔をそらした。
「…それより、部活名はどうすんだよ」
「あ」
俺以外の四人の顔が固まった。
融点上昇 #14
「グロー部、とかどうだ?」
瑞浪はアホ、と。
これでまた俺の脳内インプットが増えた。
「「ラ部、とかどうかなっ!?」」
手を合わせながらそう言うバカップル。
なにこれ?見せつけてんの?
「活動内容がはっきりしない以上、部名なんて決まらないよ。
まずは活動内容等を決めていこう」
さすがは四年一組学級代表。
仕切るのは得意だな。
「じー君、なんかある?」
…まさかの俺に振ってきたよ、この人。
仕切るのだけ得意だな。
「…奉仕活動とかでいいんじゃないのか?」
これが俺の真面目な答えだった。「地域内の清掃等に参加すれば、活動報告をしなくてもいいわけだし」
何より、ここは田舎よりだ。
地域ね人と小学校は密接に繋がっているだろう。
「じー君、頭いいね~」
和宮が感心したように頷く。
「じゃあ“ボランチア部”とかでいいよな?」
瑞浪が勝手に書き始める。
…しかも、ペンで。
「雄我!ボランチアじゃなくってボランティアだよ!?」
それに気づいた夜須田が声を荒げながら言う。
…手遅れだろうな。
「顧問とかはどうするの?」
雄我の件が一段落ついた時、音崎さんが呟いた。
「それはうちの兄貴がするから大丈夫だ」
雄我が自分の後ろを指しながら言った。
「ちっす。兄の大我(タイガ)だ。
現在独身、彼女募集中。よろしく」
雄我みたいに片手でポーズをつくりながら話す瑞浪先生。
名字が一緒だとは思ってたけどな。
「立夏ちゃんは渡さないよ!」
「ロリコンじゃねぇからとらねぇよ」
「?」
夜須田にはロリコンが分からないらしく、頭の上に疑問符を浮かべていた。
…俺は谷渕に色々教わったからな。
色々…と。
「じー君、どうしたの?」
和宮の呼びかけにより我に返る。
俺の心は谷渕がいなくなり、ぽっかりと穴があいているみたいだ。
「…それより、いつから居たんですか?先生」
俺は瑞浪先生が現れてから気になっていた項目を尋ねた。
「最初から居たぞ?」
最初からって…。
「はぁ…」
なんか苦手なタイプだ。
俺はため息を吐き、会話を中止した。
「とりあえず、明日職員室に行くからね。
今日は、解散っ!」
和宮のその声を合図に、この保健準備室から人が居なくなった。