「お嫁にしなさいっ!」 /// 番外編
~パープルくんからラブコール!の巻~
―――
午後10時22分33秒。俺は風呂から上がって一息ついてから、電話帳をぱらぱらとめくった。たどり着いたのは「サン」の文字。普段は面と向かって話すことが多い上に、電話も向こうからしか掛けてこないので、俺はそれなりに緊張しながら番号を一つずつ押していった。そしてコールが鳴り響く。
『もしもしサンです』
「サンか?」
『そっその声はダーリn…じゃなかった!パープル!』
「(まあいいか)今電話大丈夫か?」
『全っ然大丈夫なり!丁度風呂上がったとこだからマッパだけど(はあと)』
「バッバカ野郎ォォオオ!」
* しばらくお待ちください *
「ったく…」
『冗談だったのに…パープルってば意外と純情なんだねえ』
「お前、また怒鳴るぞ」
『パープルさまご勘弁を』
「てかこんなことが言いたかったんじゃねえよ」
『そうだ!何か用なの?パープルから電話なんて珍しくてドキドk』
「黙って聞けよ」
『え?う、うん』
「……」
『……』
「……」
『……あのお、パープルさん?』
「クッキーありがとよ。おいしかった。じゃあな」
ブツッ
「き、緊張した」
電話を元に戻し、壁にもたれながらずりずりと地面へ腰を下ろす。
手汗があふれだして止まらない。
(……明日、どんな顔して会えばいいんだ)
(パープルが…パープルが…ありがとって?!)
―――
/// 終わり
長くてすみません(´・ω・`)