ゲームファン

オリジナル小説掲示板

2009-02-26 開始

。。*☆*。。。ファンタジー小説を作ろぉっ。。。*☆*。。

No.作成者
2008-06-12 23:17:02

まず・・っ!ココをクリッ~クしてくれて(*ゝω・)ノ ァリガトンッ♪
そしてッ!皆( `・∀・´)ノヨロスクー☆
◆ミルン◇と申すものデ――ッス(゜▽^*)ぁは☆
ココは題名通り、ファンタジー系の小説を作ろうではないかッという所デスワヨヽ(●´∀`)ノ

ぁ!後、下の3つに当てはまる人は来ちゃダメだぞョッ!ヾ(Д´メ)
1、荒らしに来ました♥
2、ファンタジー小説?何それぇ?文句言ってやる!
3、他の人の小説パクっちゃお♪

以上のどれか1 つ に で も 当たった人は「戻る」のボタンをポチッと☆
 
当てはまらなかった人はヽ(*´∀`)ノ<<イラッシャイッ>>ヽ(´∀`*)ノ

No.44
2009-10-12 13:01:19

第2話[魔導士]
「紅い瞳に逆十字…そなた、竜神族の生き残りだな。その手袋も鱗を隠すためであろう?」
「それが…どうした……貴様には「大いに関係ある。ジン、そやつを運べ。場所を変えよう」
ジンと呼ばれたのは赤毛に深紅の瞳の8歳ほどの少年だった。地面から優に1mは浮かんでいる。
「ババ、こいつおいらと同じ匂いだ。火竜の子だよ、きっと」
少女はババというらしい。14歳くらいにしか見えない整った顔立ちに、その名はかなり不釣り合いだった。
「お前らは…「ボソボソ喋るでない、青二才が。傷の手当が先だ」
訳がわからない。逆十字を助ける?そんな馬鹿がいたのか。
「ちょっと我慢しててね」
ジンが軽々と俺を持ち上げる。こいつ人間じゃないな。ババのほうは…わからない。少なくともやってる事は常識はずれだ。俺は抵抗せずに成り行きに任せることにした。
――失意の森――
「≒〃£」
ババが基本回復呪文を唱えると出血が止まり綺麗に治った。
「で、何から聞きたい?」
ジンが無邪気に笑う。
「何故助けた」
「必要だから」
「何故必要なんだ」
ババはニヤリと笑った。
「黒の王とか名乗っておる若造を叩き潰すのに逆十字はちょうどいい」

No.45
2009-10-12 21:12:22

第3話[記憶]
黒の王。その名を聞いた瞬間、身体が震えだすのを止めることが出来なかった。(お前の記憶、見せてもらう)。ババの声が頭に滑りこんできた。意識が過去の記憶へ飛ばされる。
――15年前・実験場――
「いいのか?死んでも知らないぜ?」
「構わない、竜神族は邪魔なだけだ」
黒服の男達が3歳の俺を押さえ付ける。口をこじ開けられ、何かが喉に流れ込んだ。嫌だ!見たくない、見たくない、見たくない!!俺の意志に逆らって記憶は蘇る。
(毒…血……誰の?…あぁッ!)
場面が変わる。さっきの男達はもういない。ただの肉塊が転がっているだけだ。手には誰かの目玉。俺は手鞠歌を口ずさみながら目玉を投げ上げる。
「いっかーい、にかーい」
虚ろな視線が目玉を追う。
「きゅうかーい…じゅっかーい」
グシャッ。目玉を握り潰す。
「ハハッ…潰れた……ハハハッ…みんな壊れちゃえばいいのに。みんな死んじゃえばいいのに!」
狂った笑い声。炎が燃える。そして炎の向こうに…あの男がいた。
『使えねぇザコが。竜神族を覚醒させやがって』
死体を一瞥し、真っすぐに俺を見つめる。白い仮面で顔はわからない。
『オレ竜神族嫌いなんだよね。いたぶって苦しめて、少しだけ希望持たせて…それから叩き潰す。最高だろ?竜神族は絶対そうやって殺す。だからお前は殺せないんだ』
まだ苦しめ。男は笑いながらそう言って消えた。
『ああ、あとこれはプレゼントだ。£〒∀γξψ』
心臓に走る痛み。鎖に縛られるような感覚。激痛とともに男の笑い声が遠退く。……混乱した記憶の中で、俺はいつまでも叫びつづけた。

No.46
2009-10-13 21:19:21

第4話[紅い炎]
目を覚まして真っ先に見えたのは焚火の炎だった。気を失っていたらしい。
「ババ、気がついたよ!」
ジンが鼻がつくほど顔を近づけてきた。深紅の瞳に炎が映り、本当に燃えているように見える。
「目が覚めたか。さっきは勝手に記憶を覗いてすまなかった。だが黒の王とかいう愚か者がお前に何をしたか確かめる必要があったのだ。案の定少々厄介な呪いをかけられておったが、まあどうにかなるだろう。食うか?」
焚火であぶった肉を渡された。肉なんか食べるのは数年ぶりだ。
「紹介がまだだったな。私はババと呼ばれておる魔導士だ。千年以上かけて魔導を極めたというのに黒の王に術やら記憶やらの大半を奪われてしもうてな。今は記憶を取り戻してあの若造を叩き潰すために旅をしておる」
「おいらは炎の精霊王ジン。ババの巻き添えくらったんだ。でもおいらはババに手伝ってもらえば呪いは一時的に解けるけどね」
「全く私も半人でなければ逆魔法を使えたものを。逆魔法など使えば人の身体は膨大な魔力に耐え切れずに壊れてしまう。忌ま忌ましい」
「あんた、人じゃないのか」
ババは肉にかじりつきながら手をヒラヒラ振った。
「なに、母がフェアリーだったというだけだ。寿命が長いのとこれ以上成長しないこと、あとは魔力と体力と回復力が高いことを除けば人間と大差ない」
十分人間離れしている。まあ俺も人のことは言えないが。
「お前、名は?ないのか?」
「ああ」
「チッ、名無しとは面倒な。ジン、何か適当な名前考えろ」
「えぇ!?おいら!!?ん~と、じゃ……《ジーク》」
「ジーク……」
「おいらの前の精霊王の名なんだ。この世界の古い言葉で『紅い炎』って意味。うん、その目にピッタリ♪」
紅い炎……。もう一度小さく呟いてみる。―――不思議な感覚だった。

No.47
2009-10-18 17:32:58

第5話[]
聞いてねぇ……。前にも後ろにもモンスター。こんな状況、聞いてねぇ!
「おい、クソババ!なんで俺がモンスターに追われてるんだよ!!」
「ん?言ってなかったか?私は黒の王に第一級反逆者と見なされとるからAランクの魔物に襲われるなど日常茶飯事だ。仲間も同じ扱いなのは当然であろう」
言ってる間も忙しく魔術で攻撃するババ。ジンは上空から高見の見物。俺はろくに斬れない短剣で守りに徹するしかなかった。
「俺は仲間じゃねぇしついて行くとも言ってねぇ!ジン、何やってんだ!」
「この程度のモンスター弱すぎてつまんなぁい。おいらと張り合えるやつ送ってくれればいいのに、ああもう黒の王のドケチ~~!!!」
突然キレてジタバタと暴れるジン。まるっきりガキだ。チッ、使えねぇ!
「拉致があかんな。あの若造、無駄にモンスター作りおって」
ババは舌打ちすると急に動きを止めた。
「ジーク、3秒でいい。私を護れ」
よくわからねぇが俺はとりあえず従った。もう酸性の唾液や牙はたくさんだ。
「『命の根源を司るものよ、血と引き換えにその暗き眼差しを我が仇にそそげ』」
歌うような囁き。何処からか現れた黒い霧がモンスターを包むと、次の瞬間にはもう息絶えていた。
「さっすがババの聖霊魔法。生と死を司る妖霊の毒霧だね」
ジンが無邪気に魔物の死体を眺めて笑う。俺はその光景を見て決心した。こいつらが俺より強いなら……。
「ついて行ってやろう。黒の王を倒すために」

No.48
2009-10-19 06:08:15

↑第5話の題名[旅の始まり]です

゜。゜*☆*゜特別インタビュー・その1゜*☆*゜。゜

作者(以下作)「おはようございます、突然ですがインタビューです」
ババ(以下バ)「……ふぁ…~あ……zzZ」
作「ババさん!寝ないで下さい、質問あるんですから!!」
バ「やれやれ面倒なことだ…。で、なんだ?」
作「『ジンとジーク、付き合うならどっち?』」
バ「ゲホッ…!バ、馬鹿者!何を…だいたい何故その二人の二択なんだ!!」
作「だってこの二人以外ろくにキャラ出てませんよ?さすがに黒の王はないでしょうし」
バ「う…答えないといけないのか?」
作「はい。答えない場合第6話から出て来ないかも…(悪魔の微笑み)」
バ「……(ボソッ)」
作「はい、もっと大きな声で♪」
バ「ジ………いや、どっちも振る!!!」
作「ご協力ありがとうございました、それではさようなら」
バ「……聞こえてなかったようだな(ホッ)」

作「いや~、あっちよりこっちを選ぶとは思わなかったなぁ~♪(バッチリ聞こえました☆)」
今回のインタビューの答えは小説で!!

No.49
2009-10-19 15:31:37

初めまして。。感想専門になると思ぃマスヵ゛…それでも入ってぃぃでしょぅヵ?駄目なら駄目で、帰りますんで!

かな>
来たよ~(*^o^*)

スゴぃねぇ……大量更新じゃナィヵ!私、ファンタジーってイマイチょくゎヵんなヵったんだヶド…かなの小説読んでちょっと興味持てたヵモ!\(^o^)/すっごくぉもしろぃょ!!でもジークの過去が……怖かったヵモ…グロぃし…そんな所がファンタジーの良さなのかもしれなぃヶド……でもハマった!コトは確か。
かなの小説ってさ、登場人物に感情移入して読めるヵラ、すごく共感できて楽しぃんだょネ☆それに、ぅ~ん…何て言ってィィかゎかんなぃヶド、ファンタジーの良さ(?)みたぃなのが著されてると思うンだ☆ダヵラ、かなの小説大好き♥
ババ…一体ドッチを選らんだの!?気になる…

でゎでゎ♪長文ゴメンねぇ~♥(キモぃ

編集:2009/10/19 15:32:27

No.50
2009-10-19 16:07:44

香恋>
感想ありがとうございます☆
そう言ってもらえると嬉しいよ。これからも頑張って書くのでよろしく(o^-')b
余談だけどジークの過去はダレン・シャンっていう人の小説を参考にしたよ。グロいんだ、これが…(鳥肌

No.51
2009-10-19 18:41:13

かな>
ぃぇぃぇ♪どぅ致しまして!^^
ぅん!頑張って!かなの小説はもぅすでに私の生活の一部ダヵラ!(ぇ
ダレン・シャン!?知ってる!(有名ダヵラ
ぅ~ん…かなが書ぃてるなら、グロぃのも平気になれそぅ!(それゎそれで…;

No.52
2009-10-19 19:48:59

第6話[精霊王ジン]
ババは俺の言葉を聞いてフッと笑った。そのまま崩れるように倒れる。
「ババ!?」
「聖霊に少し生き血をとられただけだよ、ババならすぐ回復する。それより、ほら。強いのが来た」
嬉しそうなジンの視線の先には、蛇と百足をあわせたような異様な化け物がいた。しかも鋭い牙が並ぶ頭は二つ。
「バジリスクの一種かな、おもしろそ♪。ババ、力借りるよ」
「勝手にしろ」
ジンの身体が一瞬金の炎に包まれる。そして炎が消えた時、そこにいたのはあの無邪気な微笑みの少年ではなかった。
『ジーク、ババ、そんなところにいたら燃やすぜ?』
心底楽しそうに光る瞳以外は面影を残していなかった。16くらいに見えるが、切れ長の瞳に冷たい微笑み。その姿は美しかった。命を奪う刃の美しさ。
『双頭の化け物か。その頭、お前はいつまで身体につけていられる?』
ジンの両手も変化していた。爪は長く鋭くのび、深紅に染まっている。その左手を軽く振る。ジンの手の動きに合わせて炎がのび、鞭のように化け物を打った。苦痛に呻きながら襲いかかる化け物の頭が、一瞬動きを止める。切り落とされた頭が地面につく前に、ジンは背中を向けて血に染まった指を舐めていた。
『やっぱ弱ぇな。ババ、大丈夫か?』
「心配するなら術を解け。お前の封印解くためにどれだけ体力を消耗すると思っている?」
『俺、こっちの方が好きなんだけどな。だってカッコイイだろ?』
「………」
『お?何顔赤くしてんの?』
「だ、黙ってさっさと戻れ!」
『わかったって。落ち着けよ、何マジになってんだよ』
二人がそんな軽口をたたき合うのを、俺は複雑な思いで見つめていた。精霊王ジン。その力の強大さを目の当たりにし、自分の弱さを思い知らされた。思えばこの時から俺の心に小さな隙が出来ていた。―――俺の存在に意味はあるのだろうか。

No.53
2009-10-20 09:18:26

かな>
ァラ♪ババったら、ジンの方がスキなのね♪←
てか、ジン強すぎっっ!ビビった~;ジンに敵ぅヒトは居るノヵ…(怖)でもカッコぃぃ♥見てみたぃなぁ……ババが顔赤くするのもムリなぃね☆ャバぃ…私も惚れちゃったヵモ♥←

No.54
2009-10-20 13:12:20

プロフィール

ジン(精霊王)

出身地:名もなき島の火山
家族構成:なし
年齢:約1200歳ほど
外見:赤毛に深紅の瞳。16歳ほどの少年の身体。
好物:マグマ、強い敵、火山の噴火
嫌いなもの:水、弱い敵、ルール
趣味:殺戮、火山の噴火の鑑賞
性格:狂暴だが冷静な一面もある。自分より弱い者には心を開かない。

No.55
2009-10-20 13:20:07

香恋>
ババって結構わかりやすいよね(笑)
ババはね、もともとジンと同じか、ちょっと上ってぐらい強かったんだよ。でも今は記憶喪失なのでちょっと弱体化…。がんばれババ!
ちなみに二人の名前の由来はアリババとアラジンなんだよ☆

No.56
2009-10-20 14:17:57

かな>
ジンは水が嫌ぃナノヵ…ジンの弱点見~っけ♪←
確かに(笑)自分ではポーカーフェイスを装ってるつもりなんだろぅヶド…そんな天然な所がまた可愛ぃ☆
ババ…頑張れ!
……確かに!そぅ言われてみれば!スゴぃね~…

No.57
2009-10-24 23:11:48

第7話【記憶のカケラ】
――殺戮の砂漠――
失意の森を抜けると果てしない砂の世界が広がっていた。
「ババ、こんなところで何する気だ?」
「私の記憶を探すのだ」
ババは荷物から小さな赤い水晶玉を取り出して見せた。
「私の記憶は細かなカケラになって黒の王の選りすぐりのモンスターが持っておる。どうせ無駄なことに悪用するだけだろうがな。この水晶は記憶のカケラを探知するものなのだ」
ババが簡単な探査魔法を唱えると水晶の表面に何処かの景色が映った。
「ここはおそらくこの砂漠のオアシスの一つだ。詳しいことはもう少し近づかねばわからんが」
「カケラを持ってるヤツは強いんだ。おいら早く殺したいな♪」
ジンが楽しそうに踊っている。その姿はどうみてもただの子供だ。だがこいつがどれほど強いかはこの目で見た。
「ジンがいれば俺は必要ないんじゃ…「何を言うとる、この青二才が。貴様とて竜神族の端くれだろう。その身に秘められた力はいざとなれば精霊王すら凌駕する程に強大なのだ。少しは己の力を自覚せい」
小さな驚きを感じた。俺はただ人に虐げられる逆十字。それは抗えない運命で、諦めるしかないことだった。俺には力も自由もなかったのに。
「俺は…竜神の力なんて……使えない」
「当然だ。貴様は覚醒の直後、黒の王に封印の呪を受けた。迂闊に力を使えば死ぬぞ?だが…それでも」
ババの灰色の瞳に強い光が宿った。
「お前には人の力がある。無力な者などおらん。ただ闘うことをしようとしないだけだ。お前は逃げていただけだ」
そしてババは歩きだした。自分の運命から逃げもせず、ただ静かに、力強く歩きだした。

No.58
2009-10-26 22:59:06

第8話【奴隷狩り】
何もない砂漠での戦闘はキツイ。特に相手が多い時は。
「おい、ババ!なんでまた戦ってるんだ!」
「知らん!!このボケ盗賊に聞け!ったく、このクソ暑い所で(怒)」
ババが光の矢を飛ばして威嚇する。盗賊は一歩退いたが逃げる様子はない。ジンは相変わらず興味無し。
「人間かぁ~…人間がいくらいてもなぁ~……弱いしぃ~ウザいしぃ~汚いしぃ~」「ババ、ちょっと目閉じろ!」
ボシュウゥ~、というような音と共に黒煙が上がる。まともに喰らったヤツは目を抑えて転げまわっていた。
「なんだ、これは?」
「裏市場に出回ってる目つぶしだ、安物だから長くは持たねぇ!」
盗賊のラクダに乗りながら背後を振り返ると、ババは茶色い大きな袋を持ち上げようとしている。袋ごとババを引っ張り上げると手がはみでた。
「人間!?」
「奴隷だ。こいつらは奴隷狩りなのだ」
「助けるのかよ」
「妙な波動を感じるのだ。ただの人間ではないのかも知れん」
盗賊が起き上がりはじめた。クソッ、やばいな。
『俺が殺る』
ジンがいつの間にか精霊王になっていた。
「私に無断でどういう風の吹きまわしだ?」
『そこの奴隷、強いぜ?そいつの力が見てみたくなってさ』
ジンが薄く笑う。そして、盗賊にとって地獄の一時が始まった。

No.59
2009-11-06 21:34:13

闇色の翼 第9話【光か闇か】
焚火がはぜる。ババが助けた奴隷の少女は眠り薬を飲んだようで、一向に目を覚まさない。俺は彼女からできるだけ離れてメシを食っていた。
「ババ~まだ臭いよぉ~」
半泣きで顔をこするジン。もう元に戻っていた。弱い奴の血は臭いと言ってさっきからボロきれで顔中をこすっている。
「当たり前だ。あれだけ殺せば当分落ちんに決まっとろう」
「ふぇ~ん…」
いつものことだがギャップが激しい。奴隷狩りを殺しているときは楽しそうに笑ってたんだが。
「ジーク、お前もそこまで離れんでもよかろう。この少女は敵ではないのだから」
「俺にとって人間は全て敵だッ!」
思った以上に大きな声を出してしまった。
「……俺は人間なんか絶対に信用しない」
しばらくの間、沈黙が落ちた。もっともジンはずっと泣き言を言っていたが。
「……お前らは…ババとジンは、人間に迫害されたことないのかよ……」
「「ある」」
二人とも即答だった。
「じゃあなんで…なんで人を……」
「お前の目は曇っておる。深すぎる憎悪の霧に包まれて、正しい道を見失っておる。人の全てが我等の味方でないように、人の全てが敵になることもまたない。それがわからぬか?」
ババはゆっくりと首を横に振った。灰色の瞳に憐れみを込めて、俺を見つめる。
「お前はわかっておるはず。闇と光は等しいものだ。お前を包む濃い闇があるなら、それを作りだすまばゆい光も何処かにある。私は光を探すことを選んだだけだ。ジーク、お前も選べ」
光を見つけるか、闇に逃げるか。お前が選べ。そう囁くババの瞳に、少女らしい未熟さは微塵もない。知恵に長けた老獪な輝きがそこにあった。
これが本当のババ。俺は千年以上の時を生きた史上最強の魔導師の姿をかいま見た。

No.60
2009-11-18 15:48:21

闇色の翼 第十話【吟遊詩人のシェン】
奴隷が目を覚ましたのはまだ俺達の間に気まずい雰囲気が漂っている頃だった。長い栗色の髪はボサボサのまま、ぼんやりと辺りを見渡している。状況がわかっていないようだ。
「あなた方は?」
ババは答える気はないようで、押し黙ったまま魔導書を読んでいる。ジン?アイツが優しく質問に答えてやると思うか?
「………(チッ)旅人だ」
「それは見ればわかります。でも旅人は普通、Sクラスの魔導書も火の精霊も連れていませんし、結婚もしません。あと舌打ちは失礼ですよ」
ジンが吹き出し、ババは不愉快そうに顔をしかめた。俺は…ちょっと待ってくれ、今このボケた奴隷を殺しちまわないようにするので手一杯なんだ。
「ククッ……バ、ババと…ジークが………結婚…ハハハッ!!」
「何処をどうみたらそうなるのだ、この愚か者」
「……一秒でも早く俺の前から消えたほうが身のためだ……」
ヤツは俺達の反応にキョトンとしていた。ぼんやりと瞬きして、ふと付け足す。
「あ、ボクは吟遊詩人のシェンといいます。こう見えても男ですよ」
「おいらはジン、あっちの無愛想なのはジーク、その奥さんがババだよ♪」
「ジン!!(怒)」
――このボケが新たな旅の道連れになる吟遊詩人。コイツの抱えた秘密も、やがて解き明かされていく。

No.61
2009-11-29 10:03:39

゜。゜*☆*゜特別インタビュー・その2゜*☆*゜。゜
作「またもややって来た特別インタビューの時間です。《誰もいないのに何やってんだ》?…まあ、それはさておき今回はジン(ガキの方)にインタビューです」
ジン「誰かおいら呼んだぁ~?」
作「あ、ちょうどよかった。突然ですがインタビューです。ジンさんはかれこれ500年程ババさんと旅しているそうですね。そこで質問です。強かった頃のババさんと今のババさん、どちらがいいですか?」
ジン「ババはいつだって変わんないけど……今!」
作「理由をどうぞ」
ジン「かわいいから!弱くなってからおいらが守ってやってるだろ?で~、助けてやった時ババが顔赤くなるのが面白いんだぁ」
ババ「何を言っておる!!!……///」
ジン「なぁ~んにもぉ~。ババがかわいいってだけぇ~♪」
ババ「な………ッ!///」
ジン「ほら、そんな顔が」
作「仲良くしてますね。しかしこれは恋愛的な意味なのでしょうか?ではその答えは小説で…」

No.62
2009-11-29 21:30:18

闇色の翼 第十一話【ババの悪夢】
 暗い森の中。私はすぐに悟った。これは悪夢だ。―――私の過去だ。
 あの時と同じ様に私は“力”を感じ、それをふるった。目の前に現れるのはただの雑魚。生きる価値のないゴミクズ達。血まみれで笑う過去の私は、醜い濁った瞳をしていた。
『母様、貴女の望んだ通り。私は汚れた男の娘。呪いの血をひく道化師《ジョーカー》よ……』
甲高い、悲痛な笑い声。狂気の潜んだ叫びの合間に、誰かの声が聞こえた。
『…バ…バ……起き………』
  
 目が覚めた。紅い瞳が不安げに覗き込む。
「……ジン」
 精霊王に覚醒したジンが、私の手を握っていた。
『起きたか?』
 いつもの冷酷な声音とは似ても似つかない、穏やかな口調。
「……何でもない…心配するな…」
『それは嘘だ。お前の感情が高ぶると俺も覚醒する。この姿が証だ…俺に嘘をつくな』
「………ただの悪夢だ」
『……そうか』
 重なりあった手の甲に、紅い複雑な紋様が刻まれている。“血の契約”。二人にしか見えない絆だ。
 ジンと一緒にいると安らげる。ずっと昔からそうだった。それだけは、忘れない。
『もう大丈夫か?』
 穏やかな眠りに落ちる寸前、優しい声がした。微かに頷き、今度は明るい夢に滑り込む。
 ―――美しい炎の夢だった。

No.63
2009-12-02 03:46:12

闇色の翼 第十二話【シェンの物語】
 俺が起きたとき、シェン一人しかいなかった。
「ジークさん、いつまで寝てるつもりですか?日は五分も前に昇りましたよ?」
 日の出から五分なら十分早朝だろ……。相変わらずいらつく奴だ。とりあえずシェンと少し距離をとって朝食を食う。ジンとババは周囲を探索しに行ったらしい。俺はふと思いついた。コイツ、確か吟遊詩人だったよな。
「聞きたいことがある」
「なんですか?」
「教えてほしい………竜神族って何者だ?何故迫害されるんだ?」
「は?知らなかったんですか?」
 シェンは少し驚いたように目を見開いた。
「今まで誰ひとり、教えてくれはしなかった」
 そもそも誰もまともに話してくれなかった。ずいぶん昔から、会話らしい会話を交わした覚えはない。
「そうですか」
 シェンは目を閉じてしばらく黙り込んでいた。早朝の光に照らされて、栗色の髪が金に近く見える。
「そもそも迫害が始まったのは黒の王の前。ここがまだ月夜の国と呼ばれていた時代からだった」
 ゆっくりと口を開いたシェンに、さっきまでのぼんやりとした感じはかけらも残っていない。真剣な声音で語りはじめた。
「“物語は五十年の時を遡り、月夜の国の第二十二代国王ルシアンの時代から始まる”」
 シェンが重々しい口調で呟いた瞬間、俺の視界が一瞬眩んだ。
(これは………)
 目の前に広がる玉座の間。口髭をたくわえた国王が、頬杖をついているのが見えた。
『第二十二代国王ルシアンの父王は、大変優れた王であった。故にそれに及ばぬ己の力を嘆き、思い悩む日々が続いていた』
 何処からか響くシェンの声。―――これは…なんだ?

No.64
2009-12-06 17:06:11

お初!!お目にかかります。
一個の掲示板に三個も書くのはどうだろうということで、ネタを育んでとっておいた小説を・・・!

No.65
2009-12-06 17:22:32

タイトル・フェアリー・ビジョン
 ええ、タイトルに理由はゼロです。
 語呂合わせー!
 登場人物
兎・炎々(と・えんえん)
 中国出身の炎の化身の少女。身体を炎にしたり、煙にしたりできる。
 体温が非常に高く、傷を負っても炎に触れれば再生する。
 視力が生まれつき悪く、目をが殆ど見えない。
水野綏(みずのすい)
 水の化身の少年。身体を水にできるが、お湯にはできない。
 体温は低め。切っても死なない。
 水に溶け込み隠れることができる。
氷香紅魔(ひょうかこうま)
 氷の化身の少年。体温は最低。身体を変えることはできない。
 クール。体内の水分を凍らせて武器にするため、脱水症状などが絶えない。
ライズ・サン
 雷、電気の化身の少女。怒ると帯電状態になり、触ると感電する。
 電線やコンセントなどの中に入ることができ、移動も可能。ただ、使い辛い。
山田小雪(やまだこゆき)
 雪の化身の少女。春と夏は山にいて、秋から冬まで山から下りてくる。雪に姿を変えることができるが、冬にしかできない。
 紅魔と性質が似ていて、相手を凍らせることができる。

No.66
2009-12-06 17:33:29

登場人物・2
空羅風太(くうらふうた)
 風の化身の少年。メンバーの最年少。皆に愛されている。風になることができるが、風自体に逆らって移動するのがまだ下手。
 自分の移動速度を速めたり、風で切り裂くことができる。
片音輝(かたねひかる)
 光の化身の少年。のんびりやでマイペース。電灯やライトなどに溶け込める。それにそって移動すると滅茶苦茶速い。
 発光したり、強い光で相手を混乱させたりする、補助、援護役。
片音闇也(かたねやみや)
 闇の化身の少年。自己中心的で短気。風太と同じく愛されている。影などに溶け込み、移動するスピードはピカイチ。
 相手を失明させたり、記憶を無くしたり、輝と同じく補助、援護系。輝とは仲はいいが、喧嘩ばかりしている。
木田樹林(きだじゅりん)
 植物の化身の少女。木や草花になって、カモフラージュすることが可能。癒し系で、皆を和ませている。森などが好き。下手をすると自分が燃える炎々が苦手。
 植物を操り、草花の根で相手の動きを封じたり、木の枝を瞬時にとがらせ、突き刺すことができる。

No.67
2009-12-06 19:46:50

フェアリー・ビジョン プロローグ
 僕、悪くない・・・よね?
 なんでこんなとこに来ちゃったんだろう。
「つっかまーえたー」
 目に包帯を巻いた女の子が、地面に僕を押しつけて、首を絞めている。
 しかも、手が異様に熱い。
「炎々、やめなよー」
 どこかから軽いノリの声が聞こえ、炎々と呼ばれた少女は素直に手を離してくれた。
 すると、一拍を置いて、僕の近くにあったランプのコンセントから、にゅぅっと金髪と少女。
「ひぃっ!?」
「・・・人間?なーんだ。新しい子かと思ったのにー」
 人間?何を言っているんだろう。
 でも確かに、並のトリックではコンセントから出てくるなんて無理。人間じゃ・・・ない?
「ん。ただの人だね。逃がす?」
 ランプが照らしていた床から、少年の頭と手。
 僕の手をがっしり掴む。
「ちょっ・・・何!?君達!」
「僕らは・・・化身、だよ」

No.68
2009-12-12 10:42:04

フェアリー・ビジョン「化身の館」
「・・・また来客?」
 艶めかしい、大人の女の声が外から。
「小雪?久しぶりー。どこの山こもってたの?」
「富士。でも困ったもんよ、死にかけた。噴火しかけってどうなのかしらね。『空』は晴れにばっかりするし、『霧』は忙しいみたい。今年は『太陽』が元気みたいね、『雲』全然出なかったわ」
 小雪は、窓から重力を感じさせずにふわりと入ってくると、異様に長い袖でぱたぱた仰いだ。
 口から、小さな氷をぽんっと吐き出したのだ。
「・・・ただいま。冷蔵庫どこだっけ?」
 氷はやたら顔がいい少年になると、僕を通り過ぎて廊下にさっさと出て行った。
「風太、入ってきなって、あ、ちょっと、どこ行くのっ!?」
「いや違うんだよ、わざとじゃないんだってば、昨日からちょっと散歩に行こうかなーって思ってたら、風がね?方向転換しちゃって、戻るのに手間取ったんだよ!!」
 電気少女のライズに引っ張られて入ってきた少年は、小学生くらいで、半泣きで言い訳した。
「まったく・・・飛行練習サボるからでしょ?あとは・・・闇也と樹林と綏?輝、闇也は?」
 ・・・まだ、いるみたいだった。

No.69
2009-12-12 10:52:29

フェアリー・ビジョン
「闇也?さっきから眩しいって言って出てこないよ?電気消したらでてくるんじゃない?」
 炎々が電気のスイッチを押しに行くが、目が見えていないから、まったく関係のない壁にぶつかった。
「あたた・・・あ、あったあった。上だっけ?下だっけ?」
「上だよ、下は換気扇」
 上のスイッチをパチンと押すと、ふっと電気の明かりが消えた。
「うあ~~~!!電気うざっ!明かりうざっ!!」
 途端に、床から赤と黒ベースの服と、何故かミニのスカートを履いた少年が思いっきりでてきた。
「闇也着替えてないの?昨日のから」
「めんどくせーんだもん!下にスパッツ履いてるんだからいーじゃんか!」
 そのスパッツが見える見えないを気にせず、軽くあぐら。
「ライズ、樹林とって、綏出してきて?多分綏は部屋の蛇口にいると思うし」
「で、どうする?その人。黒塗りするか、このままか」
「兄ちゃん、俺、召使いが欲しい!」
 闇也が叫んだ。

No.70
2009-12-12 20:47:34

闇色の翼 用語
黒の書:あらゆる呪術を書き記した呪いの書。本そのものに魔力があり、優れた魔導師でなければ持った瞬間に命を吸いつくされる。
腐れ犬:伝説上の化け物。腐敗した人肉を好む犬型モンスター。一般的には罵倒するときに使う。恐ろしい正体不明のものを指すこともあるが、現在はあまり使用しない。
逆十字:黒の王に刃向かう反逆者の額に刻まれる印。もしくはその印を持つ者。迫害することが義務付けられており、助ければ重い罰を受ける。現時点では4人の逆十字が存在する。印を消すことができるのは黒の王のみであり、逆十字の思考をある程度まで読み取ることができる。しかしこれは黒の王の力を削るのであまり使われない。
炎の精霊王:炎の精霊の一族とその眷属全てを統べる王。一族の命運を握る存在であり、凄まじい力を持つ。
逆魔法:
呪いと逆の効果のある魔法をかけることにより、一時的に呪いを解く術。完全に解けるわけではなく、術をかけた魔導師に大きな負担がかかる。
フェアリー:妖精の中でも特に人型の羽根を持つ一族を指す。魔力が高いが非力。穏やかな性質で、自然に恵まれた場所に住み着く。
聖霊魔法:聖霊を使役する魔法。基本的には聖霊の力を借りる代償に何かを支払う必要がある。魔導師の能力に応じて使役できる聖霊のレベルも変わるが、レベルが高いと代償も大きい。中でも命と引き換えに働く聖霊を悪魔と呼ぶこともある。

No.71
2009-12-13 18:59:28

闇色の翼 第十三話【竜神族の歴史】
 俺が見ているのは間違いなく王城の玉座の間だ。口髭の男…こいつがルシアンらしい。
『ルシアンは何か国民をひきつけるものを求めていた。弟の人気が高まり、危うさを感じ始めていたからだ。そこで彼は《魔物討伐》に目をつけた。魔物討伐の軍隊は成果を上げ、ルシアンの目論みは成功したかに見えた』
 シェンの声が語るとともに、目の前の場面も変わっていく。きらびやかな銀の鎧をまとった男達。誇らしげに行進する彼らの様子がはっきりと見える。
『しかしルシアンは最後に手を出してはならないものに手を出した。それが竜神族と呼ばれる種族の一人。紅い鱗を持つ赤子だった』
 次に見えたのは何処かの農村。ボロボロの服を着た女が後ずさりながら兵士を睨んでいる。抱えた赤ん坊には左腕一面に鱗が生えていた。俺は無意識に自分の手を抑える。
『赤子の両親は普通の人間だった。ルシアンは人間が産んだ異形など恐るるに足らぬと高をくくった。愚かなことに』
 予想がつく。同じ道を俺も歩んだから。
 案の定ルシアンの首はすぐに飛んだ。赤ん坊は身動き一つせずに武装した兵を殲滅していく。
『ルシアンの部隊は全滅した。その赤子は遠い昔に滅びた火竜の魂を持っていたのだ。身体は人間でも中身は竜。彼等は竜神族と呼ばれ畏れられた。竜神族は少しずつ増え始めたが、その数が20を越えることはなかった。彼等は希少だが寿命が長い。そして一様に人との関わりを拒んだ』
 あの赤ん坊だった青年はやがて山に篭るようになっていく。俺は激しい羨望を覚えた。この逆十字さえなければ、俺もああして暮らしたかった…。
『竜神族はやがて月夜の国で最も高い山に集まり小さな村を作って暮らし始めた。ここで竜神族は歴史の表舞台から一度姿を消す。再び現れるのはそれから約12年の時が流れた頃。しかしこの空白の12年、実は彼等は人間に迫害されていたのだ』

No.72
2010-04-18 14:29:29

済みません。
オリジナル小説書きたいんですけど、此処に投下しちゃって大丈夫ですか?

名前とかは結構既存の物から取っちゃってたりしてますけど・・・問題ない・・ですよね?

No.73
2010-04-18 17:56:43

きの>
いらっしゃい(笑)
大丈夫だよ、どんどん書いてね♪
私もまた書き始めよっかな~?

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