。。†第九話†。。

後夜祭が始まった。
女子はドレスに男子はタキシードに着替えて中庭で踊っていた。
緩やかで誰もが一度振り向くような音楽に合わせて。
カンナは屋上で皆が踊る姿を静かに眺めていた。
「カンナ!総督のお付ご苦労様!」カンナは無視した。
「ちょっと!無視することないでしょ!」
「はぁ」カンナは深くため息をついてミリナークを見た。
「あんたのする事は迷惑なんだよ。僕の前から消えろ」ミリナークに冷たく言い捨てた。
ミリナークはそれでもお構いなしにカンナに問い掛ける。
まるで、恋人、兄妹の様に……。
「いい加減にしろよ!!迷惑って言ったのが解らないのか!」カンナは怒鳴った。
ミリナークは少し驚いたのか黙った。
そして、数秒の沈黙を挟み寂しそうに言った。
「カンナの事見てられないんだもん」カンナは振り返った。
「誰とも話そうとしないで自分の周りに囲い作って……すっごい心配なんだもん……」カンナの中で何かが動いた。
「それにこうやって話してないとカンナ、突然、何処かに行きそうなんだもん」カンナの中で全てのギアスが叫んでいた。
「や、やめろ……僕は、神なんだ……誰にも心配、されなくても……ぅぁあぁぁぁあぁああぁぁ!!!」カンナはナナリーの時のように倒れた。

。。†続く†。。

。。†第十話†。。

『カンナはどうして自分の周りに囲いを作るの?』　　僕は神だから独りで生きていける。
『神はいない。神がいたら世界は平和になるはず』　　神は良い奴ではない。その証拠がこの世界だ。
『違う。神は貧しい人でも裕福な人でも微笑む人よ』　　そんな事はない。だったら何故、この世界は壊れている?
『壊れていない。戦争をやってる国もあるけどそれは一つの過ちなだけ』　　過ちではない。
『じゃぁ、何?』　　それは―――
「ナ……ンナ……」何処かで声がする。
「ンナ……カンナ!!!」
「ッッ!!??」
「良かった～大丈夫??」カンナはミリナークの声で起きた。
「ぼ、僕は……」カンナは状況を把握出来ていない。
「さっき屋上で倒れたんだよ。行いきなりだったから吃驚したよ」
(屋上で……クソッ!!!)カンナは屋上の言葉で状況を把握した。
ミリナークの言葉にギアスが反応したのだ。
「お前……何者だ」
「あたし??あたしは普通の女の子だよ??」ミリナークはあっさりと答える。
(チッ……ギアスを使うしかないか……)カンナは両目を光らせた。

。。†続く†。。

。。†第十一話†。。

「カンナが捧げるギアス……」カンナは小さく呟いた。
「か、カンナ?」
(やはりギアスは知らないようだな……)しかし、誰かに記憶を曲げられてる可能性がある。
あいつが捻じ曲げた可能性もあるから。
「お前の記憶の全て見せてもらう」
「え……」カンナはミリナークの額に人差し指を当てギアスでミリナークの記憶の中を見た。
ミリナークの記憶は色々な物が重なり輪廻の様に回り閉ざされてる記憶も多数あった。
(……何だ、この記憶。まるであいつの記憶の……ッッ!!!???)カンナは思い出した。
この記憶は前で何処かで見た事がある、と。
見たくなかった記憶を無理矢理見せられてギアスが暴走したあの時を。
「僕の目を見ろ」
「何?」
「全ての記憶を思い出せ。嫌な事も辛かった事も今まで経験した事を全て思い出せ」ミリナークと目が合った瞬間、ギアスをかけた。
その時、ミリナークの体は震え始めた。
「い、いや……あたしは、もう……いやぁ……いやぁあぁぁぁあぁぁあぁぁ!!!」ミリナークは泣き叫んだ。
(記憶が戻っているのか……確かにあんな記憶を戻されたら一溜まりもないないからな)そう、あの記憶は心が壊れる記憶。
「さぁ、思い出せ……全てを……あの記憶も!!!」

。。†続く†。。

名前、変ぇたヶドドン②書ぃちゃぅょww

。。†第十二話†。。

「心が、壊れる、のは……嫌……あの記憶は、もう、思い出したく……ない……!!!」カンナは――
「そう言ってるけどもう思い出してるんだろ?」冷淡に――
「違う……違うの……」心の――
「違くないんだよ。所詮、お前は……」壊れる――
「ちがぁぁあぁぁあぁあぁう!!!!」瞬間を――
ドクン―――
カンナのギアスがミリナークを言葉に響いたのかギアスが叫ぶ。
まるでミリナークを守るように。
「やめ、ろ……また、僕に逆らう、気か……」カンナの体に鎖が巻かれ始めた。
「か、カンナ……?」ミリナークは心配そうに問い掛けるが反応はない。
返ってくるのは痛みに堪える唸り声だけだった。
「こいつはぁ……ただの人間のはずじゃないのかぁ!!!」カンナは誰かに叫んだ。
「ギアスに関係のない人材じゃないのか!!!」また誰かに言う。
「この……鎖を外せ!!!僕は神なんだ!!!鎖に巻かれる体はお前の体だ!!!」カンナは誰かと話している。
「クッ……あぁぁあぁぁああぁぁぁあぁぁぁあ!!!」鎖が解き放たれたその瞬間、全てが光に包まれた。

。。†続く†。。

。。†第十三話†。。

『おはよう、カンナ』誰かが僕に挨拶をしてくる。
僕は軽く会釈をした。
『こら。挨拶しなきゃだめでしょう』誰かは優しく叱った。
母親のように。
『また今日も行くの?』誰かが僕に悲しそうに問い掛けてくる。
またって……僕は何処かに行ってるの?
……嗚呼、あそこか。
そうだよ。
だって僕はもう運命をあいつ等に捻じ曲げられたから。
『生きてね……12歳まで何もなければあの地獄から抜け出せるから……』
そんな事いったってあの実験は失敗する確率は少ないよ。
『もう失いたくないの……何も……』
そんな事言われても僕には何も出来ない。
僕は今、無力な子供だから。
でもこれからきっとあの白い服の団体に変えられるのだろう……。

。。†続く†。。

。。†第十三話†。。

『ぅあぁあぁあぁぁぁあぁぁぁあ!!!』僕は叫んだ。
痛くて痛くて……内側からスベテを抉り取られてる感じ。
どうして僕がこんな想いをしなくちゃいけないんだ。
僕は普通の子供なのに。
どうして僕がこんな実験に……。
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛』叫びが言葉にならない。
何を発しているのか解らない。
日本語?　英語?　中国語?
そんな時、僕に止めが刺された。
白い服を着た団体は満足そうな顔をしていた。
顔を半分覆いつくしたマスクをしていても解る。
『もう痛くしないで……』幼い僕はそれしか言えなかった。
『もう痛くしない、君が神だ』白い服を着た団体は僕にそう言った。
そして僕は12歳になったと同時にこの世界に神になった。

。。†続く†。。

。。†第十四話†。。

『一人の少女で処刑台で首を飛ばされた』止めろ……
『一人の少女が処刑台で全身に矢を突かれた』止めろ……
『一人の少女が……』
「止めろぉぉおおぉぉおおぉぉおぉぉ!!!」
『一人の少女が処刑台で燃やされた』声は止まらない。
声は永遠に神の中で言い続ける。
あの人の記憶を。
生まれたときから今までの記憶はを。
「もう、嫌だ……僕は普通の子供に戻りたい……」神は泣きながら言った。
『神は生きる、生き続ける。死ぬのは世界が滅びる瞬間』声は神の前に現れた。
「僕は……神じゃない……普通の子供だ……」神は弱音を吐く。
『じゃぁ、世界を終わらせろ』
「どうやってだよ……僕はまだ死にたくないよ……」神はまた泣きはじめた。
『神が死ななくても終わらせる方法はある』
「何……?」
『それは神がよく知っている』その言葉を最後に声は消えた。
「僕が……知っている」神はさっきとは違う顔つきになった。

。。†続く†。。

。。†第十五話†。。

「ミリナーク……」カンナが今、そして人生で初めて名前で呼んだその人。
「僕は神なんだよ……」カンナにとってはどうでもいい人。
「か、カンナ……?」今では邪魔な存在。
「ミリナークがいなければ僕は……」カンナの両目にはギアスが光る。
「カンナが捧げるギアス……」カンナの口が開いた。
その瞬間、ギアスが暴走する。
だか。
「僕は神だ。誰も逆らえない。例えギアスでも」あの時のカンナとは違った。
まるで別人のようになっていた。
「ど、どうしたのよ……カンナ」
「どうしたじゃない。お前のせいで……お前の中にギアスが在るから!!!」ミリナークには小さなギアスが在った。
自分では解らないがカンナには解るのだ。
「ぎ、ギアス……わ、私は……!!!」
「もう遅い!!!お前は僕にとって邪魔な存在だ!!!」
「ま、待って!!!」カンナがギアスをかけようとした瞬間ミリナークが止めた。
「最期に伝えたい事があるの……」そう言ってミリナークはカンナの前に立った。　　

。。†続く†。。

。。†第十六話†。。

「私ねカンナと会えて嬉しかった」
「それが何だ!!!!お前は……ッッッ!!!」ミリナークはカンナ額に触れた。
優しく、包むように。
「ギアスの事、思い出したときすごい悲しかったの。また独りで生きていかなくちゃって」カンナは静かに聞いていた。
「でもね、カンナが今、ここにいるからもう平気なんだって、独りじゃないんだっって思えたの」
「……」
「でも私はギアスの記憶を思い出したから生きていけないの……だから……」

「好きだったよ、カンナ」

「ッ!!??」ミリナークが笑って言った瞬間、カンナの目から一粒の雫が落ちた。
「最期に伝えられて良かった。ギアスの事、最期に解ってくれる人がいて嬉しかった」
「さ、最期じゃない!!まだ生きろ!!」カンナは止めた。
カンナ自信、何故止めたのか解らなかった。
カンナの中にある『心』が動いたのかもしれない。
「だめだよ。私はカンナにとって邪魔なんでしょ?」
「じゃ、邪魔じゃない!!!だから死ぬな!!!」カンナは叫んだ。

。。†続く†。。

名前、変ぇて戻ってきました!!
塚、誰も柿仔してなぃね……　樹希～戻ってきてぇ～!!!
めげずに小説が完結するまで柿仔するもん!!!

。。†第十七話†。。

『最愛の人が亡くなると人は悲しみ心は崩れる』何処かで読んだ本に書いてあった気がする。
でも僕にとってそんなの関係なくて続きを読まなかった。
その時、其処にいた人が言ったんだ。
『人生に一度は愛する人が出来る』でも僕は聞く耳を持たなかった。
僕の人生の中でそんな人は出来ないと。
その思っていたんだ。

「今までありがとう……さよなら……」

ミリナークは静かに目を閉じた。
一瞬、ミリナークは優しく笑った。
「どうしてだよ!!何でギアスが効かないんだよ!!」カンナはミリナークを強く抱きしめた。
「ぅあぁあぁぁあぁぁあぁぁあぁぁぁ!!!!」カンナは体の奥底から込み上げてきたかの様に泣き叫んだ。

。。†続く†。。