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D.Gray-man ~神の使徒達~

2007年03月29日 (木) 発売

Dグレオリジナル小説♪18

No.作成者
2008-04-03 14:48:05

みなさんこんにちは、こんばんはww
はじめましての方は、はじめましてっ!

ココは【D.Gray-man】のオリジナル小説を書いたり
雑談したりするところですっ*

もう、18にいっちゃったねー・・・
この調子でドンドン小説書いたり、雑談したりしましょー!

*初めての方・見学だけの方でも大歓迎*
気軽に入ってね!皆で待ってるよ!

No.728
2012-07-26 10:38:48

『ネェ、イツマデそうシテルノ?』
暗い、暗い夢の中で、幼い声がそう訊ねる。この夢の声は起きていても聴こえる…。
きっと僕はこの声から逃げる事はできないのだろう。
この声は決して良いモノではない。何でこの声が頭に響いているのかと聴かれても、記憶を失ったあの日からずっと聴こえているのだから知りようがない。もしかしたら、記憶を失う前から聴こえていたモノなのかも知れない。不思議な事に、記憶を失ったとは言っても生まれてから十歳のことまでは覚えている。しかし、それ以上は何も覚えていない。
この声が酷い日に限って天気は晴れ模様。教団の中とはいえ、眩しい位の太陽。それから逃げるように廊下のより闇に近い影の中移動していると目の前の人物にぶつかる。
「わり‥‥アルか。どうした?」
そういって此方を見てくる人物は何時もの無表情で普段と様子の違う僕に声をかけて来る。
「威角・・・」
しかし、その声はずっと頭の中で聴こえる声に遮られていて聴こえていない。なんとか、威角の無表情にしか見えない顔の変化と唇の動きで内容を把握したが、何でもないと言う前に目の前が暗くなる。自分が倒れたんだと気付いた時には既に遅いようで、体が全く動かなくなっていた。

No.729
2012-07-26 10:40:45

- - - - -
「おい!?」
アルが何かを喋ろうとした瞬間、アルは前にぐらりと倒れる。威角はそれを支えながらアルの顔を見ると一瞬で“どういう意味か”判った。顔は何時も通りなのに、気絶しているのに関わらず開かれている、左目は朱に染まっていた。
勿論、これが普段の目の色というわけではない。
普段はこの目を隠す為に“呪(まじな)い”で隠しているのだ。何故なら、この目の所為でアル達は“研究所”の人間に見付かり易いからだ。研究所とは、威角の先祖とその兄弟(姉妹)達を…“殺さない兵器”を造った者から奪い、戦争に使おうとしたが上手くいかなかった為その存在を闇に隠そうとしている人間達だ。そいつ等は大分昔に過激派の兄弟に内側から分裂させて解散させたらしいが、その中でも執念深く追ってくる奴等がいるから、ほぼ全員が呪いで目の色を変えている。
しかし、今のアルの目は元の色に戻っている。アルは記憶が戻らない限り呪いの解き方は知らないのは判っているから、どう考えてもアル自身が解いたとは考えられない。それなのに、解かれていると言う事は、この呪い自体にガタが出始めているのか、何らかの理由で呪い効力が一時的に薄れているか、という事になる。どちらにしても厄介だと判断した威角は、アルを部屋まで運ぶ事にした。勿論、部屋に着くまで誰ともすれ違わないようにひと工夫して。
アルの部屋に着いたら持っている合鍵で部屋の鍵を開け中に入り、ベッドにアルを寝かせて一息つく。

No.730
2012-07-26 10:43:32

それから二時間程部屋の奥の窓際にあるテ-ブルでゆっくりとしていれば、ベッドの方から幽かな声が聞こえたので威角が其方へ視線を向けると、アルが手を天井に向けているのが見えた。
「・・・起きたか?」
威角がそう訊ねればアルは少し身を起こして威角の方に視線を向ける。威角に向けられた視線は先程の朱色のままだった。
「…なんで?」
「無理するな。倒れたから部屋のベッドに運んだ。それだけだ。取敢えず、今日は部屋で休んでいろ。」
「・・・仕事、僕の分…」
「判ってる。何時ものように鼠にやらせておくから。」
「ん。」
アルはそう短く返事をすれば、静かに寝息を立てる。
こんな時でも他の人に自分の分の仕事がまわらないように動こうとするのは良いが、限度というものを知ってほしい。他の人から見れば、何時でも元気で仕事を必ずする良い子のように見えているのだろうが、実際アルは元気に見えるように演じているだけなのだ。恐らくアルは仲間内でも、素の自分とは付き合わないだろう。
それだけの事を、人間はアル達家族にしてきたのだ。そう、あの頃は全てが敵だと錯覚する程に…。

No.731
2012-07-26 10:46:07

何千年も昔。今の時代から見れば未来で、更に異世界にあたる場所に、アルを含む五人の兄弟は居た。
名称は上から順に、ゼロ号アルフェレス・カルファ-メン、イチ号ギリスティ-ラ・キルファ-メン、ニ号ロウ・カル-ム、サン号明利(メイリ)・零音(レイオン)、ヨン号威角(イカク)・空泳(コンウェイ)。この五人は“戦争”の為に、その国の国家機密として秘密裏に存在していた。
しかし、五人は国家お抱えの研究員によって造られたわけではなく、ごく一般の‥否、孤児院育ちのとある女性によって造られた子供だった。孤児院育ちの女性は勉強も何もしておらず、全て自然から得た知識によってこの子供達を造っていた。兵器としてではなく、自分と一緒に居てくれる家族として。
しかし、女性の願いは叶ったものの、子供には在り得ない力が存在していた。その力は目覚める前からずっと溢れていたので、国に早く見つかり、女性は子供達を奪われてしまった。
そんな事を知らずに、子供達は国による教育と言う名の一種の催眠を受けていた。「自分達は兵器で、人を殺す為に生まれてきたのだ。」と。
そうして僅か五歳ながらに一軍隊を圧倒する程の行動力と知識を身に付けた子供達は、いよいよ戦場に駆り出された。その戦場で子供は暴れた。相手の軍は子供を殺す事に抵抗のある兵士達ばかりだったので、数時間も経たずに壊滅。その内の半数が“熊のような何かに裂かれたような”殺され方をしていた。その理由をしるのは子供達だけであって、幾ら国の者が考えても、その謎は解かれる事は無かった。

No.732
2012-07-26 10:47:14

そして、戦争に勝った国は更に力を持った子供を増やす為に、子供達を研究した。それによって子供達は自らの能力に目覚めてしまった。
まず、最初に目覚めたのはアルだった。アルは色々な能力を持っていた。本来は一つだったのだが、天性か好奇心か、その一つからあらゆる能力を創っていった。その能力数は一週間も経てば三桁にも及んだ。ふとした切欠で出来てしまった“再生能力”。好奇心で試してみた“能力譲渡”。それによって発覚した“創造”という能力。全てを想像し、目の前に造り出すこの能力は死人ですら別の人物として生き還らせた。
次に目覚めたのはギリスとロウ。ギリスの能力はアルとは正反対のものだと言えるだろう。認識する全てのモノを破壊する“破壊”の能力。後にチ-ト野郎と呼ばれる根源である。そして、ロウの能力は自らを犠牲にしてしまう“自己犠牲”という能力であった。それは、ある一定の距離内にいる者の不幸・怪我を無意識に自らに取り入れてしまう能力であった。それ故にロウは九つという幼さで亡くなる。
三番目に明利。明利は一定の距離内のモノを細かく見る事のできる“透視能力”と、自分の知る事、相手に知らせたい事を一瞬にして知らせ、また逆に相手が伝えたい事を一瞬にして理解する“伝達能力”であった。
そして最後に目覚めた威角の能力は“記憶と継承”であり。これは子供・子孫に渡る記憶の継承と一度見たモノ全てを暗記してしまう記憶力であった。これは、威角が死んだ時に皆が知った能力だった。小さな能力に見えるかも知れない。しかし、この能力のお蔭で他の兄弟が後に助かるのであった。

No.733
2012-07-26 10:49:11

そしてアルは自分の創造という能力で過去を知る能力を創り、それによって出生について知った。
それは偶然か必然か調べた時に判った、自分(アル)達の事だけしか考えず今も尚国家の地下にある牢に入れられ、毎日のように拷問されている母の存在であった。
その事をアルは秘密裏に四人に知らせようとしたが、ギリスは姉であるアルを嫌っており知らす事は叶わず、結局ロウと明利、威角だけに知らせる事となった。
それから数日後にはギリスを除いた三人と本当の母である和(まどか)は研究所から抜け出し、残ったギリスは一人研究所で実験体にされていた。
逃げ出してから更に三日後に、アルは再び研究所へ行き、ギリスに問うた。
「ギリス。今でも研究所に居たい?」
それは、皆が逃げる為とはいえ、残してしまったギリスへの質問だった。
「・・・本当に、マ-テル(母)は偽物なの?」
「うん。僕等がつい最近まで呼んでいたマ-テルは偽物だ。僕等を造った本当の母は和。平和の和と書いてマドカ。ずぅっと地下の牢獄に閉じ込められていた‥でも、僕等の事だけを考えていてくれた和だよ。」
その後、ギリスが何と答えたか、恐らく想像がつくだろう。そして、ギリスは怒りに任せて研究所を中から破壊し始めた。能力の暴走だ。
それによって他の研究所からは子供達と和は潰されたのかと噂が流れていたが、国王からの命令で死体が見つかるまで探す事になったが、その包囲網からも逃げ、アル達は和から本当の名前と意味を知らされる事になった。

No.734
2012-07-26 10:49:52

アルの名前は瓜栖・眠春・ドゥラ・ミィット・セカンティア・ファ-・トゥナ・ヴィン・カルム・イラ・ドゥコ・インマ-・ティリス・ルイナ・ティモァ-・プリムス・レム・フヴェス・ニヒル・アルブス・フェリス・アルフェレス・ファルファ-メン。
ギリスは葛・映駿・タウアム・シュアンバオタイ・プリズミェッミ・メリウム・ロワ・デストリカオ・レンクス・エクスピ・ア-ティオ-・タドミ-ル・ギリスティ-ラ・キルファ-メン。
ロウは福音・蓮火・ザプリエット・モハッラム・ジンジ・エヴァンジル・クレ-スト・ノエフ・コフチェク・メア・アロ-ド・ロウ・カル-ム。
明利・零音・ロブクロック・バヴェル・ク-ルソル・ラス-ル・スクライン・アンネ・ミハル。
威角・空泳・ラ-ミ・アルカウス・ティラドル・ツェ-ピ・アジュダ-ド=ネポ-ス・ミ-レス・エクェス・アンナ・フリストフォ-ル。
まぁ、この通り大体が長い名前だが、これはまだ“一般的に知られても問題ない範囲”での名前だ。
前にも書いたが、名前には意味があった。
まず、アル達を造るにあたって色々な術式を組み合わせなければならなかった。
故に一つの欠点を生む事となったのだ。
それは『一度でも“真名”を呼ばれたならば、如何なる場合でもその呼んだ人物の命令を聞かなければならない。』という事だ。
それによって家族間でも真名を教える事はできないし、ましてや他人に真名を教える事はできなくなった。
しかし、上記の名前よりも長い真名を本人は覚えれるのかと聞かれれば、実際は覚えていないのであろう。
だが、自分の真名について考えれば自然と頭に浮かぶらしい。
それにどうせ他人には教えないので問題は無かった。

No.735
2012-07-26 10:50:39

「威角…何、考えてる?」
そんな事を思い返していれば、先程よりは顔色の良くなったアルが俺の顔を見ていた。
アルの左目は未だに紅く染まっていた。
「昔の事をちょっとな…どうだ?気分は。」
「・・・また、僕は和を助けれなかった・・・。和は、あの牢獄から出る前から“存在してなかった”。僕が、もっと早く自分の過去を見てれば…ッ」
そう握り締めている右手は血が滲んでいた…。アルの言うとおり、牢獄から母を助けたと思っていたが、それはアルが創造して“人形として生き還らせた”死人だったのだ。
そして、その和の魂を内蔵した人形は、伝える事を伝えて未練が無くなったのか、ボロボロと崩れ去っていた。
「大丈夫だから、過去に囚われ過ぎるな。和も言っていただろう?“私という存在に囚われずに今ある自分を大事に”って。」
それについて自分を責め続けるアルを落ち着かせるように、イカクの言葉を紡ぐ。
俺はイカクの記憶を継承しているし、イカクは記憶を継承している俺の横に今も尚、留まっているから、イカクの言葉を紡ぐのは簡単だった。
「でも、僕は何も守れなかった。こんなに力を持っているのに!こんなに長く生きれる程の力を持っているのに僕はあの時、誰も助けれなかった!!それなら最初から存在しなければ良かったのに!」

No.736
2012-07-26 10:52:01

「“姉ぇちゃん、自分を責めるのは幾らでもしていろ”。そして聞け、幾ら言おうと俺の先祖であるイカクをあんなトコから逃がせて、俺という存在が生まれる事が出来たのはアル。お前があの時、必死こいて足掻いたからだろう?その事を否定するという事は、俺の存在も否定するって事なんだが?」
「でも、威角だって、それによって生まれた連鎖の中で生きる事になっちゃった…。結局、僕は・・・」
その後、アルを再び寝かせ、俺は隣にある自室へと行く。
自室に入ってふと、先程のアルの言葉を口に出す。
「“無力”、か…。」
その、溜息にも近い声は、誰の耳に届くでもなく、部屋に響いた。

-和はアルの能力で生き還った。
しかしアルの能力は弱かったから崩れ去った。
ロウはアルが弱っている時に殺された…。
だからアルは自分の弱さを見せないで演じるしかない。
-だからアルは自分を責め続けた。
起こり得る事を防げなかった自分をギリスに恨まれる以上に恨んだ。

No.737
2012-07-26 10:52:39

はい、駄文サ-センっしたああああああっ。
まぁ、最近人来ないから誰も見ないだろうけどなwww

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